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It's time to learn - 慶應通信学習記

花組版「真夏の夜の夢」考

花組と言っても宝塚ではありません。
先週の土曜日、池袋の”あうるすぽっと”という劇場に
花組芝居という劇団のお芝居を観に行ってきました。
花組に出会ってから早20年。役者は全員、男性です。
毎回、刺激的で妖艶な舞台を見せていただいております。
今回は「夢邪想ーシェイクスピア”夏の世の夢”より」です。
脚本は青年座の女優さんでもある秋乃桜子さん(役者名は山像かおりさん、声優としても活躍されています)。
演出は劇団主宰の加納幸和さん。
加納さんは日大芸術学部出身ですが、卒業論文で芸術会賞を受賞した才能の塊です。
卒論で担当教授を超えるものを書くって凄過ぎません?尊敬いたします。

作品は確かに「真夏の夜の夢」をベースにしていましたが、翻訳モノではありませんでした。
舞台は昭和18年の日本。
パンフレットに記載されていた通り、雰囲気はシェイクスピアというよりは横溝正史の世界でした。
また秋乃さんが坪内逍遥訳の「真夏の夜の夢」を参考に書かれたためか、セリフ回しもその当時の話し方をしており、さらに淫靡な世界になっておりました。
「真夏の夜の夢」の中では妖精パックによって、登場人物たちの人間関係が崩れていきます。
横溝正史「犬神家の一族」でも佐清(すけきよ)の登場によって、犬神家の統制が崩れていきますよね。
そこに共通性を見出す加納さんはすごい人だな、と思います。

長くなりましたので、続きはまた後で。



by eminba67mt | 2014-12-22 09:35 | ちょっと面白い話